
朝晩の気温差が大きいこの季節、
外来では「急に皮膚が赤く腫れた」
「かゆみが強くて眠れない」といったご相談が増加しています。
診察しているときには症状がでていなくても、こんな風になったんですー、とスマホの画像を持ってきてくださることも多く、そんな場合「じんましん」であることが多いです。
蕁麻疹じんましんは、
皮膚の一部に一過性に出現する膨疹(やや盛り上がった赤み)を主徴とする皮膚疾患で、
かゆみを伴うことが一般的です。
特徴としては、
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発疹は数分から数時間以内に自然に消失する
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24時間以内に出没を繰り返すことが多い
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ミミズ腫れのような膨疹が散在あるいは融合して現れる
などが挙げられます。
多くは痒みを伴いますが、ピリピリ感・灼熱感などの異なる知覚異常が現れる場合もあります。
🌬寒暖差じんましん
この時期に多いのがこちら!季節の変わり目に身体が冷えたり温まったりすることで、皮膚が過敏に反応してしまうタイプです。
🍤食べ物や薬によるじんましん
エビやカニ、特定の果物、薬の服用後などに出ることがあります。
🧣物理的刺激によるじんましん
肌をこすったり、衣類の締め付け、圧迫、運動などがきっかけになることもあります。
😷その他(感染・ストレス・疲労など)
風邪や胃腸炎などの感染症、過労、睡眠不足、強いストレスなども誘因になります。
そして「原因不明」のことも約7割から8割といわれています。
▶ 治療の基本
第一選択薬は抗ヒスタミン薬です。
- 眠気の少ない第2世代抗ヒスタミン薬を中心に処方
- 効果不十分な場合には、薬剤の種類の変更や増量、H2ブロッカーやロイコトリエン拮抗薬の併用を検討
症状が長引く場合、自己判断で薬を中止せず、医師の指示に従い継続服用することが重要です。
💉難治性の場合の対応
慢性蕁麻疹で複数の治療にも反応が乏しい場合には、
- オマリズマブ(抗IgE抗体)、デュピルマブなどの注射(生物学的製剤)を選択肢とすることもあります
安全性が高く、海外のガイドラインでも推奨されている治療法ですが、全例に適応となるわけではないため、医師と慎重に相談の上で導入されます。

放置は禁物。軽症でも医療機関での適切な評価を🧑⚕️
蕁麻疹は一過性の疾患であることが多い反面、慢性化するとQOL(生活の質)を大きく損なうこともあります。
特に以下のような場合には、早期の医療機関受診をおすすめします。
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発疹が毎日出現する
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広範囲に出る、全身に及ぶ
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症状が1ヶ月以上続いている
- 市販薬で効果が不十分、または再発を繰り返している
当院では、保険診療の枠内で適切な評価・治療のご提案を行っております。
皮膚症状に関して気になることがあれば、お気軽にご相談ください。




