最近は美容クリニックでも手軽にほくろが取れるようになりました。
ですが、皮膚科専門医として私はあえて強くお伝えしたいことがあります。
「たとえ小さなほくろ一つでも、
皮膚がんを診たことのない医師に任せてはいけない」ということです。

「黒」って200色あるんですよ。
…どこかで聞いたフレーズかもしれませんが(笑)、
これは皮膚科医ならみんな同意すると思います。
私たち皮膚科専門医の所見のとり方には特徴があり、
ほくろにしろ、いぼにしろ、必ず色調をカルテに記載します。
単なる黒色の色素斑、
ではなく赤っぽいのか、
茶色っぽいのか、
青っぽいのか、
灰色っぽいのか。
ダーモスコピー(DS)という特殊な拡大鏡を使い、
何万ものほくろを診てきた我々にとって、
一般の方にはただの「黒」に見えるかもしれないほくろが、
私たちにはその中に潜む「わずかな濃淡の乱れ」や
「分布の歪み」が見えています。
- 色調のわずかな不均一さ
- 色素の中にある血管の有無
- 掌や足の裏なら、色素が皮膚の「溝」にあるか「丘」にあるか
こうした多岐にわたるチェックポイントは、
皮膚がんの症例を数多く診て、
病理を理解し、
経過を知っている医師にしか判別できません。
そして怪しい所見を見つけるとぞわぞわするのです💦
診断は「利益」のためではなく「未来」のため
正直に申し上げて、
皮膚がんの診断を下せたからといって、
クリニックに大きな利益が出るわけではありません。
しかし、患者様の目線で考えればどうでしょうか。
悪性腫瘍を早期に発見できるメリットは、何物にも代えがたいはずです。
早く診断をつけてくれるクリニックを選ぶことは、
そのままご自身の未来を守ることに直結します。
その「ほくろ」の未来が見えていますか?
最近は自費のみの美容クリニックも増えていますが、
その「ほくろ」にレーザーを当てる前に、
もしそれが悪性だった時のことまで想像できているでしょうか。
不適切な処置で診断が遅れてしまうケースを、私たちは絶対に防ぎたい。
だからこそ、当院ではまず診察をします。
悪性の疑いがあればすぐに皮膚生検(組織検査)を行い、確定診断をつけます。

「たかがほくろ」ではありません。
一生付き合う肌だからこそ、
皮膚がんを見た経験のない医師ではなく、
診断に責任を持つ専門医のクリニックを探してみてくださいね。
この記事を監修した医師
木谷 美湖野(きたに みこの)
御所南はなこクリニック 医師
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容皮膚科学会
- 弾性ストッキングコンダクター
2014年長崎大学医学部卒業。神戸労災病院での初期研修を経て、2016年に神戸大学皮膚科へ入局。神戸大学医学部附属病院、三田市民病院、西宮市立中央病院にて皮膚科医としての研鑽を積む。
私生活では2児の母であり、親しみやすい診療を心がけている。


