鏡を見たときに、
「最近、目元の細かなシワが増えてきた」
「笑ったときの目尻のシワが以前より深くなった気がする」
「ファンデーションが細かなシワに入り込むようになった」
「以前より肌のハリがなく、なんとなく疲れて見える」
そんな変化を感じることはありませんか?

年齢とともにシワが増えてくることは、誰にでも起こる自然な変化です。
一方で、美容皮膚科には、ボトックス、ヒアルロン酸、レーザー、RF、高周波治療、HIFU、肌育注射など、非常に多くの治療があります。
選択肢が多いからこそ、
「結局、シワには何をすればいいの?」
と迷われる方も少なくありません。
シワ治療で大切なのは、「シワがあるから、とりあえず何かを注入する」ことではありません。
そのシワが、
- 表情筋の動きによるものなのか
- 皮膚そのものが薄くなっているのか
- 真皮のハリや弾力が低下しているのか
- ボリュームロスが関係しているのか
- たるみが関係しているのか
によって、必要な治療は大きく変わります。
当院では、シワを単なる「線」として見るのではなく、皮膚・真皮・表情筋・皮下組織・たるみまで含めて、お顔全体を診ながら治療を考えることを大切にしています。
そして、年齢とともに増えてくる細かなシワを考えるうえで、近年特に重要になっているのが、「肌育」という考え方です。
今回は、シワはなぜできるのか、
ボトックスが向いているシワとそうでないシワ、
治療が難しい「ちりめんジワ」、
そして当院がおすすめする「肌育×機械治療」について詳しくお話しします。
シワはすべて同じではありません
一言で「シワ」と言っても、その原因はひとつではありません。
美容皮膚科では、まずシワの種類を見極め、どこにアプローチするべきなのかを考えていきます。
表情を動かしたときに目立つ「表情ジワ」
笑ったときにできる目尻のシワ、眉をひそめたときにできる眉間の縦ジワ、おでこを上げたときに現れる横ジワ。
これらは、主に表情筋の動きによって皮膚が繰り返し折りたたまれることで生じるシワです。
若い頃は表情を戻すとシワも目立たなくなりますが、何年も同じ場所が折りたたまれ続けることで、徐々に無表情のときにも線が残るようになります。
このような表情ジワに対する代表的な治療が、ボツリヌストキシン治療、いわゆるボトックス治療です。
ボトックスは、シワの原因となっている筋肉の動きを適度に抑えることで、表情ジワを目立ちにくくしていきます。
また、すでに深く刻まれたシワを治療するだけではなく、シワが浅いうちから過剰な筋肉の動きをコントロールし、深いシワへ進行しにくくするという考え方もあります。

表情を戻しても残る「刻まれたシワ」
長年表情ジワを繰り返していると、
「笑っていないのに目尻の線が残る」
「眉間にずっと縦線がある」
という状態になることがあります。
ここまでシワが刻まれると、原因は筋肉の動きだけではありません。
長年の紫外線や加齢などによって、皮膚のハリや弾力そのものが低下していることも関係してきます。
そのため、ボトックスで筋肉の動きを弱めても、すでに皮膚に刻まれた溝が完全には戻らないことがあります。
つまり、表情筋へのアプローチだけではなく、皮膚そのものへの治療も必要になるということです。

治療が難しい「ちりめんジワ」
シワ治療の中でも、特に治療が難しいのが、目元や頬、口周りなどに見られる細かな「ちりめんジワ」です。
ちりめんジワは、一本の深いシワがあるというより、細かな線が広い範囲にたくさん見える状態です。
笑ったときだけではなく、無表情でも細かな線が見えたり、皮膚を少し動かすと細かく折れたりします。

このタイプのシワは、表情筋だけが原因ではありません。
背景には、
- 真皮の菲薄化
- コラーゲン量の低下
- エラスチン構造の変化
- 水分保持力の低下
- 肌の弾力低下
など、皮膚そのものの加齢変化が関係しています。
そのため、ボトックスだけでは十分な改善が難しいことがあります。
ここで重要になるのが、「真皮そのものをどう整えていくか」という考え方です。
なぜ年齢とともに細かなシワが増えるのか
皮膚は、大きく「表皮」「真皮」「皮下組織」という層で構成されています。
シワやハリ、弾力を考えるうえで特に重要なのが、表皮の下にある真皮です。
真皮には、肌の強度を支えるコラーゲン、弾力に関係するエラスチン、水分保持に関係するヒアルロン酸などが存在しています。
これらがバランスよく保たれていることで、若い肌は適度な厚みと弾力を維持しています。
しかし、加齢や長年の紫外線曝露などによって、真皮を構成する成分の量や構造は徐々に変化します。
すると、
「皮膚が薄くなったように感じる」
「以前より弾力がない」
「乾燥しやすい」
「細かなシワが目立つ」
「肌にハリがなくなった」
といった変化が現れてきます。

若い肌=生地が厚いとシワになりにくく弾力性があり、曲げても元に戻る

年齢を重ねた肌=生地が薄いため、シワやたるみになる
つまり、ちりめんジワを改善するには、表面に見えているシワだけを追いかけるのではなく、そのシワが生じている真皮の環境そのものを考える必要があるのです。
これが、当院が考える「肌育」につながってきます。
「肌育」とは何でしょうか?
最近、美容医療では「肌育」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
「ヒアルロン酸注射と何が違うの?」と思われる方も多いと思います。
一般的なヒアルロン酸フィラーは、失われたボリュームを補ったり、へこんだ部分を持ち上げたり、輪郭を整えたりすることを目的として使用します。
一方、肌育治療では、顔の形を大きく変えることよりも、皮膚そのもののハリ・弾力・水分保持力・質感などへアプローチしていくことを重視します。
ただし、当院では「肌育」を単なる「うるおいを与える注射」とは考えていません。
もう一歩踏み込んで、真皮のECM(細胞外マトリックス)をどのように整えていくのかという視点で肌育治療を考えています。
ECM(細胞外マトリックス)とは?
ECM(Extracellular Matrix:細胞外マトリックス)とは
簡単に言えば、「肌のハリや弾力を支える真皮の土台」のことです。
真皮には線維芽細胞という細胞があり、その周囲にはECMが存在しています。
ECMを構成する代表的な成分には、
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
- フィブロネクチン
- プロテオグリカン
などがあります。

コラーゲンは皮膚の強度を支え、エラスチンは伸び縮みする弾力に関わります。
ヒアルロン酸などの成分は、水分保持や細胞を取り巻く環境の維持に関係します。
正常な皮膚では、線維芽細胞がコラーゲンやエラスチンなどを産生する一方、古くなった成分は分解され、新しいものへと置き換わっています。
この産生と分解のバランスを保ちながら真皮が作り替えられていくことを「リモデリング」と呼びます。
ところが、加齢や紫外線などの影響によってこのバランスが崩れると、コラーゲン量の低下やエラスチン構造の変化、真皮の菲薄化などが起こり、ハリや弾力の低下、細かなシワにつながっていきます。
そのため、年齢とともに現れるちりめんジワでは、「シワを埋める」のではなく、「シワを支えている真皮そのものを治療する」という発想が必要になります。
そこで重要になる「真皮のリジュビネーション」
当院では、細かなシワやハリ低下に対して、真皮のリジュビネーション=真皮の再構築を重要視しています。
その方法のひとつが、レーザーや高周波などを使用した機械治療です。
CO2レーザー

CO2レーザーは、皮膚に微細な熱刺激を与え、創傷治癒反応を利用してコラーゲンの再構築を促します。
肌のキメ、質感、細かなシワなどに対して使用することがあります。
ピコレーザー

ピコレーザーはシミ治療のイメージが強いですが、ピコフラクショナルなど照射方法を変えることで、皮膚に微細な刺激を与え、肌質や毛穴、細かなシワなどにアプローチすることができます。
DENSITY(デンシティ)

DENSITYは高周波、RFの熱エネルギーを用いる治療です。
真皮から皮下組織に熱を加えることで、コラーゲンの収縮やリモデリングを促し、ハリやたるみへの改善を目指します。
EMFACE(エムフェイス)

EMFACEは、高周波と筋肉への刺激を組み合わせて治療する機器です。
皮膚だけではなく、顔全体の構造を考えながら治療したい方にご提案することがあります。
機械治療だけで十分なのでしょうか?
もちろん、機械治療だけでも真皮のリモデリングを促すことはできます。
しかし、ちりめんジワやハリ低下が強い方では、「真皮に刺激を入れるだけでなく、ECMの産生・再構築そのものにもアプローチしたい」と考えることがあります。
そこで当院が組み合わせているのが、「肌育 × 機械治療」という考え方です。
機械治療によって、真皮へ熱や物理的刺激を加え、リモデリングを促す。
そこに、肌育治療によって、真皮のECM環境へ別の角度からアプローチする。
この二つを組み合わせながら、年齢とともに低下してきた肌のハリや弾力を整えていく。
これが当院のシワ治療のひとつの考え方です。
ECM製剤「スネコスパフォルマ」

当院で、ちりめんジワやハリ・弾力低下に対する肌育治療として取り入れている製剤のひとつが、
スネコスパフォルマ(SUNEKOS PERFORMA)です。
スネコスパフォルマは、非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を組み合わせた注入製剤です。
一般的なヒアルロン酸フィラーのように、
「へこんだ部分を物理的に持ち上げる」「ボリュームを補う」
ことを主な目的とした製剤とは考え方が異なります。
スネコスパフォルマは、真皮の線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンやエラスチンなどの細胞外マトリックス(ECM)の産生・再構築を促すことを目的としたECM製剤として位置づけられています。
つまり、シワの溝へ何かを入れて膨らませる治療ではなく、シワを支えている真皮の構造そのものへアプローチしていくという考え方です。
そのため、
-
- 目元の細かなちりめんジワ
- 頬の細かなシワ
- ハリ不足
- 弾力低下
- 皮膚が薄くなってきた印象
- 年齢とともに感じる肌質の変化
などに対して治療を検討します。
すぐにボリュームを作るフィラーとは異なり、真皮のリモデリングを促しながら、時間をかけて肌の構造を整えていくことを目的とする治療です。

スネコスパフォルマ症例写真 4回施術後 左:Before 右:After(メトラス提供)
なぜ「機械治療 × ECM製剤」なのか?
ここが、当院がシワ治療で特に大切にしているポイントです。
レーザーやRFなどの機械治療では、真皮に熱や物理的刺激を加えることで創傷治癒反応を起こし、線維芽細胞やコラーゲンのリモデリングを促していきます。
いわば、機械治療は「真皮に再構築の刺激を入れる治療」です。
一方、スネコスパフォルマは、非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸を真皮へ届けることで、
線維芽細胞によるECMの産生・再構築を支えるという異なる方向からアプローチします。
整理すると、
機械治療= 真皮に刺激を加え、リモデリングを促す
×
スネコスパフォルマ= ECMの産生・再構築へアプローチする
という組み合わせです。
当院では、この異なる二つのアプローチを適切に組み合わせながら、
単に一本のシワを埋めるのではなく、ハリや弾力を支える真皮そのものを育てていく
という治療を目指しています。
だからこそ、ちりめんジワには「真皮を見る」ことが大切
細かなちりめんジワは、表情筋の動きだけでは説明できません。
背景には、
- 真皮の菲薄化
- コラーゲンの減少
- エラスチン構造の変化
- 水分保持力の低下
などがあります。
そのため、表情筋の影響が強い場合にはボトックスを使用しながらも、無表情でも残る細かなシワや、肌をつまんだときに細かく折れるようなシワでは、真皮そのものを治療対象として考える必要があります。
ここに、機械治療による真皮リモデリングと、スネコスパフォルマによるECMへのアプローチを組み合わせる理由があります。
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対象施術:
ピコレーザー・スペクトラレーザー・CO2フラクショナルレーザー
デンシティ・ウルトラフォーマーMPT・エムフェイス
こんなお悩みにおすすめ
✓ ちりめんじわ
✓ ハリ不足
✓ たるみ
注意事項:
※湿疹やかぶれなどお肌の状態により施術をお受けいただけない場合があります。
※施術後に赤み・内出血・膨隆などが生じる場合があります。
※初めての方は先に美容カウンセリングのご予約をおすすめいたします。
※他のキャンペーンとの併用は不可となります。
※麻酔クリームが別途(税込3,300円)必要となります。
「肌育」は、ただ保湿することではありません
「肌育」という言葉から、「肌にうるおいを入れる治療」というイメージを持たれる方もいらっしゃいます。
もちろん、うるおいは肌にとって非常に重要です。
しかし、当院が目指している肌育は、それだけではありません。
線維芽細胞、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などによって構成される真皮のECM環境へアプローチし、加齢によって変化していく皮膚の構造そのものを整えていくこと。
これが、当院が考える「肌育」です。
だからこそ、
ボトックスだけでもなく、ヒアルロン酸で膨らませるだけでもなく、レーザーを照射するだけでもなく、
「患者様のシワが、筋肉由来なのか」
「ボリュームロス由来なのか」
「たるみによるものなのか」
「皮の菲薄化やECMの変化によるものなのか」
を見極め、その原因に合わせて必要な治療を選択することが大切なのです。
「肌育 × 機械治療 = ∞」
当院が考える、「肌育 × 機械治療 = ∞」とは、単純にたくさんの施術を組み合わせるという意味ではありません。また、治療効果が無限に続くという意味でもありません。
真皮へ適切な刺激を加える機械治療と、ECMの産生・再構築を支える肌育治療を組み合わせることで、
「肌づくりの可能性を広げていく」という当院の治療コンセプトです。
シワを一本ずつ追いかけて埋めていくのではなく、
「なぜこのシワができたのか」
「どこの層が変化しているのか」
「今の肌に何が必要なのか」
を考える。
表情筋が原因ならボトックス。
ボリュームロスが原因ならヒアルロン酸などのフィラー。
たるみが強ければ、それに適した機械治療。
そして、真皮の菲薄化やハリ・弾力低下、ちりめんジワが気になる場合には、機械治療やECM製剤によって真皮へアプローチする。
このように、原因を一つずつ分けながら治療を選択していくことが、自然で健康的な肌をつくるためには重要だと考えています。
「シワを消す」から「真皮を育てる」へ
年齢とともに増えてくるシワ。
しかし、その原因はすべて同じではありません。
表情筋によって生じるシワ。
長年の動きによって刻まれたシワ。
たるみによって生じるシワ。
そして、真皮の菲薄化やECMの変化によって目立ってくる細かなちりめんジワ。
原因が違えば、必要な治療も異なります。
当院では、「シワがあるから何かを注入する」のではなく、「なぜこのシワが生じているのか」から治療を考えます。
特にちりめんジワやハリ・弾力低下では、表面のシワだけを見るのではなく、真皮のコラーゲンやエラスチン、それらを支えるECM環境まで含めて考えることが重要です。
機械治療によって真皮のリモデリングを促し、スネコスパフォルマなどのECM製剤によって細胞外マトリックスの産生・再構築へアプローチする。
「シワを埋める」だけではなく、「シワを支える真皮を育てていく」。
それが、当院が考えるシワ治療・肌育治療です。
「最近、目元のちりめんジワが気になる」
「ボトックスだけでは物足りなくなってきた」
「何を注入すればいいのかわからない」
「できるだけ自然に、健康的で若々しい肌を目指したい」
そんな方は、治療名を決めてから来院する必要はありません。
まずは現在のシワや肌状態を診察し、今の肌には何が必要なのか。
そこから一緒に治療を考えていきましょう。
この記事を監修した医師
木谷 美湖野(きたに みこの)
御所南はなこクリニック 医師
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容皮膚科学会
- 弾性ストッキングコンダクター
2014年長崎大学医学部卒業。神戸労災病院での初期研修を経て、2016年に神戸大学皮膚科へ入局。神戸大学医学部附属病院、三田市民病院、西宮市立中央病院にて皮膚科医としての研鑽を積む。
私生活では2児の母であり、親しみやすい診療を心がけている。


