「ニキビが繰り返しできる理由は?」
「繰り返しニキビができやすい部位と対処法について知りたい」
何度もニキビができてしまう方の中には、その原因や対処法について疑問をお持ちの方もいると思います。
ニキビは早期に適切な治療やスキンケアをすることで、治る可能性が十分にあります。
しかし、治ったと思っていたニキビが繰り返しできてしまうケースもあります。
繰り返しニキビができてしまうのは、生活習慣や普段のセルフケアなどに原因がある可能性が考えられます。
本記事では、ニキビが繰り返す場合に考えられる原因や繰り返しニキビができやすい部位、対処法などについて解説します。
1.繰り返しニキビができる主な原因

ニキビは適切な対処によって、予防したり悪化を防止したりできます。
しかし、一度改善したニキビが何度も繰り返す場合には、以下のような原因が潜んでいる可能性があります。
- 生活習慣の乱れが長期間続いている
- スキンケアの方法に問題がある
- ホルモンバランスが乱れている
- 肌が紫外線などの刺激にさらされている
どのようにニキビができることに関わるかについてメカニズムを解説します。
(1)生活習慣の乱れが長期間続いている
ニキビができる主な原因は、毛穴に皮脂や角質などの老廃物が溜まることにあります。
そして、皮脂が過剰に分泌されたり老廃物が溜まったりすることは、生活習慣の乱れと深く関わっているケースが多いです。
特に脂肪分を多く含む食品や食材に偏った食習慣が常態化していると、皮脂の分泌も促されて毛穴などに皮脂が溜まりやすくなります。
また、過度な飲酒などの習慣がある場合にも肝臓に負担をかけ、老廃物がうまく排出されずに体の中にとどまり、ニキビを引き起こす原因になる可能性もあります。
なお、ニキビにはいくつかの段階があります。
一般的に痛みなどを伴って目立ちやすいニキビは「赤ニキビ」と呼ばれ、毛穴に溜まった皮脂にアクネ菌という常在菌が集まり、過剰に増殖して炎症が起こることが原因です。
しかし、初期段階である「白ニキビ」は痛みや腫れが目立たないケースもあり、本人も気づかずに放置されてしまうことも少なくありません。
そして、生活習慣の乱れが長期間続くことで目立たなかった白ニキビが進行・悪化して赤ニキビになることもあります。
そのため、一度ニキビが治ったと感じても実際には隠れたニキビがあり、それが悪化している可能性がある点にも注意しましょう。
(2)スキンケアの方法に問題がある
ニキビは皮脂が過剰に分泌されて毛穴に溜まると、できることがあります。
そのため、ニキビの改善や予防にはスキンケアが欠かせませんが、その方法を誤ると却ってニキビを誘発する可能性があります。
例えば、過度に肌を洗うことで皮膚の組織がダメージを受けると、皮脂の分泌が促されるリスクが高まります。
また、水分や油分が多い脂性肌(オイリー肌)ではニキビができやすいとされ、保湿などを控える方も多いです。
しかし、適度な保湿を心がけなかった場合、肌が乾燥して却って皮脂の分泌が過剰になり、ニキビの原因や悪化させる原因にもなります。
(3)ホルモンバランスが乱れている
ホルモンバランスの乱れがニキビの原因になる可能性もあります。
ニキビが生じる原因として、以下のようなホルモンが関わることが知られています。
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)
- 男性ホルモン(アンドロゲン)
黄体ホルモン(プロゲステロン)は女性ホルモンの一種であり、皮脂の分泌を促すはたらきがあるため、黄体ホルモン(プロゲステロン)が過剰に放出されるとニキビができやすいです。
女性は排卵後から次の生理までの期間は黄体ホルモン(プロゲステロン)の放出が多くなる傾向にあり、生理前にニキビができやすくなります。
特に生理周期と関連してニキビができる場合、「ニキビが繰り返しできる」という印象を持ちやすくなるでしょう。
また、男性ホルモン(アンドロゲン)も皮脂の分泌を増加させるはたらきがあり、特に思春期に男性ホルモン(アンドロゲン)が優位になりやすく、「思春期ニキビ」を引き起こす要因です。
なお、黄体ホルモン(プロゲステロン)と男性ホルモン(アンドロゲン)は化学構造が似ており、男女問わず思春期にニキビができやすくなる理由にも関わっています。
(4)肌が紫外線などの刺激にさらされている
肌が紫外線などの外的な刺激にさらされ続けていると、ニキビが繰り返しやすくなります。
紫外線は肌にダメージを与え、炎症を悪化させることでニキビが繰り返しできやすくなってしまいます。
また、ニキビがあった箇所の周辺に髪や手などの刺激や摩擦が加わることでも炎症が悪化し、結果的にニキビが再発する可能性が高まります。
このほか、乾燥によって肌の潤いが失われることで肌のバリア機能が低下し、皮脂が過剰に分泌されてニキビが再びできたり悪化したりするケースも見られます。
2.ニキビが繰り返しできやすい部位

ニキビができる部位や箇所には、一定の傾向が見られる場合があります。
特に皮脂の分泌が盛んな部位では、一度治ったと思えたニキビが上記のような要因が加わることで繰り返しできやすいです。
また、以下のような部位や箇所でもニキビが繰り返しやすいといえるでしょう。
- フェイスライン・こめかみ
- 顎・口周り
- 頬・額
(1)フェイスライン・こめかみ
フェイスラインやこめかみの部位はニキビが繰り返しやすい箇所です。
特に20代以降の「大人ニキビ」で生じやすく、持続的なストレスやホルモンバランスの乱れによって引き起こされている可能性があります。
食習慣の乱れによる腸内環境の悪化が関連していることもあり、原因が一つに特定できないケースも多いといえます。
また、こめかみは皮脂腺が比較的集まっている場所であり、皮脂の分泌が盛んな箇所です。
こめかみの髪の生え際あたりは、髪が触れることも多く、髪についたホコリや汚れなども毛穴に溜まりやすくなります。
このほか、シャンプーなどのすすぎ残しがあると、毛穴に溜まりやすく、ニキビの原因になる可能性もある点に注意しましょう。
(2)顎・口周り
顎や口周りには皮脂腺が少なく、皮脂の分泌がそれほど多くありません。
そのため、顎・口周りにニキビが繰り返しできる場合には、摩擦などによって肌がダメージを受けていることに原因がある可能性が考えられます。
例えば、寝具による接触や摩擦、肌質に合わないコスメなどの使用が原因で肌が荒れているケースもあります。
また、顎周りはストレスやホルモンバランスの乱れが関わるほか、女性の場合は生理や妊娠・出産に伴うホルモンの変化の影響を受けやすいです。
(3)頬・額
頬や額は、思春期の頃に見られるニキビが好発する部位です。
頬は皮脂腺が少なく、皮脂の分泌が盛んというわけではありません。
しかし、思春期に起こりやすい成長ホルモンのバランスの乱れにより、肌のターンオーバーのサイクルが崩れて皮脂などが毛穴に溜まりやすくなると、頬にもニキビができやすくなります。
また、額はもともと皮脂腺が多く、皮脂の分泌が盛んな部位であり、汗が溜まりやすく、前髪による刺激などもニキビができやすい要因です。
成人の場合には、乾燥などによって頬の皮膚のターンオーバーが乱れたり、マスクやメイクなどの刺激が繰り返されたりすると、ニキビができやすくなることがあります。
3.ニキビが繰り返しできる場合の対処法

ニキビが繰り返しできる場合には、さまざまな原因が関わっている可能性があります。
また、普段の生活習慣やセルフケアの方法に問題があることも考えられるため、以下のような対処をとるのがおすすめです。
- 皮膚科を受診する
- 皮膚の潤いを保つ
- 正しい洗顔の方法と角質ケアを意識する
- 生活習慣の改善を心がける
ニキビは複数の要因によって引き起こされることが多く、原因に心当たりがない場合や判断が難しい場合には、皮膚科などの専門の医療機関の受診も検討しましょう。
(1)皮膚科を受診する
繰り返しニキビができる場合には、その原因は一過性のものではなく、中長期的に続いている可能性もあります。
セルフケアだけでは対処が難しい場合が多いため、なるべく早期に皮膚科などの専門の医療機関を受診するのがおすすめです。
特に痛みや痒みなどの何らかの自覚症状がある場合には、ニキビの状態が悪化している可能性もあります。
ニキビによる炎症が広がったり悪化したりすると、ニキビ痕が残り、もとの状態に戻すことが難しくなります。
そのため、なるべく速やかに専門医に相談するようにしましょう。
また、一度も皮膚科などを受診せずにセルフケアで対処していてもニキビが繰り返しできる場合には、ケアの方法が適切ではなかった可能性もあります。
そのような場合にも、まずは皮膚科を受診してアドバイスを受けると安心です。
(2)皮膚の潤いを保つ
ニキビは皮脂が過剰に分泌され、それが毛穴に溜まることで引き起こされます。
しかし、ニキビができた場合でも、皮膚が乾燥してしまわないように注意を払いましょう。
すでに述べているように、肌の潤いが失われてしまうと皮脂の分泌が促され、ニキビを悪化させたり繰り返したりする原因になります。
そのため、ニキビができている間やニキビが治った後も、保湿を心がけ、肌が乾燥しないようにケアすることが大切です。
ですが、ニキビの予防や治療を効果的に行うためには、過度な保湿は控える必要があります。
毛穴を塞ぐような油性の保湿剤の使用は却ってニキビを悪化させます。
保湿に用いるものは、油性のクリームや乳液を避け、ノンコメドジェニックのものをご使用ください。
当院では炎症を抑えるトラネキサム酸が配合された化粧水のみの保湿を推奨しております。
(3)正しい洗顔の方法と角質ケアを意識する
スキンケアの方法に問題がある場合、肌がダメージを受け、炎症が悪化する可能性があります。
そのため、正しい洗顔の方法を心がけましょう。
具体的には、朝晩しっかりぬるま湯(おおむね30~35℃)で泡立てた洗顔料を使って優しく洗うことをすすめます。
冷たい水よりもぬるま湯を使うことで、毛穴が開きやすくなり、皮脂や角質などを洗い流しやすくなります。
なお、古い角質が残った状態を放置すると、肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、毛穴に溜まりやすくなることでニキビの原因にもなります。
洗顔の後は古い角質を取り除く「角質ケア」もニキビの予防と悪化防止のためには効果的です。
ただし、炎症を起こしているニキビに対して角質ケアを行うと、炎症の悪化や色素沈着を引き起こす原因にもなるため、炎症が落ち着いてからケアを実施するのが望ましいです。
(4)生活習慣の改善を心がける
ニキビが繰り返しできるのは、普段のスキンケアの方法のほか、生活習慣に理由があることも考えられます。
例えば、食事の栄養バランスの偏りや睡眠不足による肌のターンオーバーサイクルの乱れ、ストレスによる皮脂の過剰分泌などが関わっている場合もあります。
このような状態が続いているとニキビが何度も繰り返されやすくなるため、生活習慣の改善に取り組むことも大切です。
特に糖分や脂肪分を含むものを過剰に摂取することで皮脂の分泌が促され、ニキビの原因になる場合があるため、一時的に摂取量を減らして様子を見るようにしましょう。
肌に炎症が生じるとニキビが悪化するため、抗炎症作用のある緑黄色野菜(ニンジン、ほうれん草、ブロッコリーなど)や青魚(サバ、イワシ、サンマなど)を意識的にとるのもおすすめです。
また、ストレスや睡眠不足が続いている場合には、適度な有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)に取り組んだり、リラクゼーションを意識したりするようにしましょう。
4.繰り返すニキビについてよくある質問

ニキビは、適切な対処をしなければ何度も繰り返す場合があります。
特に20代以降でも男女問わず繰り返しニキビができてしまうことがあり、当院には以下のような相談が寄せられることが多いです。
- ニキビが繰り返す理由はどれか一つだけですか?
- 同じ部位にニキビができやすくなる理由は何ですか?
- ニキビができやすい季節はありますか?
(1)ニキビが繰り返す理由はどれか一つだけですか?
ニキビができる理由にはさまざまなものがありますが、単一の理由だけで引き起こされるわけではなく、複数の原因が関わっているケースがほとんどです。
そのため、生活習慣の改善やスキンケアなど、いずれかの対策のみではニキビが改善しない場合には、ほかにも原因が潜んでいる可能性があるといえるでしょう。
自己判断での対処は限界があり、ニキビが悪化する原因にもなりうるため、少しでも気になる点がある場合には皮膚科などの専門の医療機関の受診がおすすめです。
(2)同じ部位にニキビができやすくなる理由は何ですか?
一度ニキビができてしまうと、セルフケアや治療によって症状が改善しても、皮膚の組織がダメージを受けて皮脂などが溜まりやすくなる構造に変化してしまうことが理由です。
生活習慣やホルモンバランスの乱れが生じると、その場所に皮脂や角質などが溜まりやすくなってしまい、結果として同じ部位にニキビができやすくなってしまいます。
また、ニキビができた部分を触る癖があったり、就寝時に寝具などの圧迫がかかりやすかったりすると、患部に刺激が加わってニキビが悪化する要因にもなります。
(3)ニキビができやすい季節はありますか?
気候によらず、1年のどこでもニキビができる可能性があります。
春先は皮膚の新陳代謝が活発な時期であり、気候の変動によってホルモンバランスも乱れやすく、古い角質などが毛穴に溜まるとニキビができやすくなります。
また、夏場にかけては皮脂の分泌が促され、適切なスキンケアが行われていなければニキビが増えやすくなるでしょう。
さらに、秋や冬は乾燥しやすく、肌の潤いが失われたりバリア機能が損なわれたりすることで、皮脂の分泌が過剰になり、ニキビを引き起こす可能性があります。
季節によってニキビを誘発する要因は異なるため、春夏は皮脂の分泌を抑えるような食生活を心がけ、秋冬は保湿を中心とした保湿ケアを行うなど、季節に合わせた対策が必要です。
まとめ
ニキビが繰り返しできる場合には、生活習慣の乱れやスキンケアのやり方に問題がある可能性が考えられます。
特に何度もニキビができる場合には、原因が一過性のものではないことが考えられ、複数の原因が潜んでいる可能性もあるでしょう。
適切な治療やセルフケアを怠った場合には、ニキビが繰り返すだけでなく、炎症の悪化によってニキビ痕が残ってしまうリスクもあります。
ご自身で対処しているものの、ニキビが改善しない場合や繰り返しできてしまう場合には、一度当院をはじめとする皮膚科などの医療機関に相談されることをおすすめします。
この記事を監修した医師
木谷 美湖野(きたに みこの)
御所南はなこクリニック 医師
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容皮膚科学会
- 弾性ストッキングコンダクター
2014年長崎大学医学部卒業。神戸労災病院での初期研修を経て、2016年に神戸大学皮膚科へ入局。神戸大学医学部附属病院、三田市民病院、西宮市立中央病院にて皮膚科医としての研鑽を積む。
私生活では2児の母であり、親しみやすい診療を心がけている。


