「ニキビの原因やセルフケアのポイントが知りたい」
ニキビが気になる方の中には、このような疑問をお持ちの方もいると思います。
思春期にはホルモンバランスの乱れなどによってニキビができやすくなりますが、大人になってからもニキビに悩まされる方は少なくありません。
ニキビの状態やできてしまう原因を正しく把握し、適切な治療やセルフケアを行うことで、症状を改善できる可能性があります。
本記事では、ニキビの状態ごとに適した治療法やセルフケアの注意点などについて解説します。
1.ニキビの状態別|ニキビの治し方

ニキビは、状態によって以下のような分類があり、それぞれの状態で適している治療法も異なります。
- 白ニキビ
- 黒ニキビ
- 赤ニキビ
- 黄ニキビ
放置すると徐々に症状が悪化して治りにくくなってしまうこともあるため、初期段階から適切な対応を進めることが大切です。
(1)白ニキビ
白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まり、皮膚が盛り上がった状態です。通常、痛みはなく、詰まっている皮脂や角質のサイズが小さい場合には本人も気づかずに放置されてしまうこともあります。
しかし、放置すると悪化してしまうため、皮膚のケアと生活習慣の見直しによって改善を目指しましょう。
具体的には、毛穴に皮脂や汚れを溜め込まないように優しく洗うことが重要です。
また、糖分や脂肪分の多い食習慣は皮脂の分泌を促し、ニキビを引き起こす原因になる場合もあるため、食事の内容に注意を払いましょう。
なお、これらの対処を行っても症状が改善しない場合には、皮膚科などの専門の医療機関を受診した方がよいケースも考えられます。
特にニキビが悪化してしまうと肌に痕が残りやすくなります。
一度皮膚にニキビ痕が残ってしまうと元に戻すのは難しいため、改善が見られない場合はお近くの皮膚科を受診しましょう。
(2)黒ニキビ
黒ニキビは、毛穴に詰まった皮脂が外に出て空気に触れて酸化した状態です。白ニキビの状態を放置すると黒ニキビに移行する場合があります。
痛みなどの自覚症状はないものの、ニキビが黒ずむことで気づく場合もあります。
この状態でも、基本的には正しく皮膚を洗い、生活習慣を見直すことで症状が改善する可能性がありますが、黒ずみが目立つ場合には、スキンケアも必要になることがあるでしょう。
黒ニキビは目立ちやすく、毛穴に溜まった皮脂や角質を無理やり除去しようとする方もいます。
しかし、皮膚に刺激を与えると毛穴が広がってさらに悪化するリスクがあり、スキンケアの進め方には注意しましょう。
(3)赤ニキビ
赤ニキビの状態になると、炎症が生じているため、ニキビの部分に痛みを感じることも多いです。炎症が生じるのは、毛穴の周辺にアクネ菌という常在菌が過剰に増殖することに理由があります。
アクネ菌は、皮脂に含まれるトリグリセリドをグリセリンに分解して皮膚の潤いを保ち、脂肪酸を作り出して肌を弱酸性に保つはたらきを持つ菌です。
しかし、毛穴に皮脂や角質などが溜まると、アクネ菌はこれを分解するために過剰に増殖してしまいます。
すると、体の免疫がこれに反応してしまい、アクネ菌を異物として攻撃することで炎症が生じてしまうのです。
すでに炎症が生じている場合には、皮膚のケアや生活習慣の改善だけでなく、炎症を抑えるための薬を用いた治療が必要です。
そのため、痛みが気になる場合には、速やかに皮膚科などを受診して治療を開始しましょう。
(4)黄ニキビ
赤ニキビで見られる炎症が悪化すると、免疫細胞のはたらきで死滅したアクネ菌が膿となり、ニキビの患部が黄色く変色します。この状態になると、皮膚の奥の部分(真皮)にまで炎症が広がっていることが多く、炎症を抑えてもニキビの痕が残ってしまう症例も少なくありません。
皮膚への影響を最小限に抑えるためにも、遅くとも赤ニキビの段階までに専門の医療機関を受診して治療を受けることが大切です。
2.ニキビを引き起こす主な原因

ニキビは、ホルモンバランスの乱れによって、思春期にできやすい傾向があります。
特に思春期は成長に必要なホルモンのバランスが崩れやすく、過剰に皮脂が分泌されることでニキビもできやすいです。
しかし、成人してからもニキビができることがあり、特に「大人ニキビ」と呼ばれるニキビは、以下のような要因によって引き起こされる場合があります。
- 食習慣の乱れ
- 睡眠不足
- ストレス
- 肌のバリア機能の低下
どれか単一の原因によって引き起こされるのではなく、複数の原因が重なることでニキビができやすくなるため、まずは生活習慣の改善を心がけましょう。
(1)食習慣の乱れ
特定の食品や食材がニキビの原因となったり悪化させたりするわけではありませんが、長期にわたって食習慣が乱れている場合にはニキビを誘発する可能性があります。例えば、糖分や脂肪分を過剰に摂取し続けると、皮脂の分泌が促されやすくなります。
甘い菓子パンや脂っこいものなどをよく食べる習慣がある場合には、特に注意が必要です。
栄養素のバランスがとれた食事を心がけると、皮脂の過剰な分泌や炎症を抑えてニキビの予防や悪化防止につながるでしょう。
(2)睡眠不足
睡眠不足の状態が長く続いている場合も、ニキビに影響を与えます。日中、肌は紫外線などによってダメージを受けることがありますが、睡眠中に肌の修復を促すホルモンが分泌され、肌のターンオーバーのサイクルが保たれます。
しかし、十分な睡眠がとれない場合には、睡眠中に分泌されるホルモンのバランスが乱れ、ダメージを受けた肌がうまく修復されなくなってしまいます。
これによって肌のターンオーバーが乱れ、古い角質や皮脂が肌に残ってしまい、それが蓄積することでニキビの原因となる場合があるのです。
(3)ストレス
ストレスが強い環境や持続的なストレスを受けている状況では、ニキビができやすくなる可能性があります。体はストレスを感じると、交感神経が優位になり、アドレナリンやテストステロンなどのホルモンが分泌されます。
そして、これらのホルモンは皮脂の分泌を促すはたらきがあり、ストレスを持続的に受けている場合にはホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌され、ニキビの原因になります。
また、ストレスによって睡眠不足に陥ることもあり、ホルモンバランスと肌のターンオーバーのサイクルの乱れが関わってニキビができやすくなる可能性にも注意しましょう。
(4)肌のバリア機能の低下
ニキビは、古い角質や皮脂などが毛穴に溜まることが原因ですが、角質や皮脂は肌を外部の刺激から守る役割も担っています。これを肌のバリア機能といい、紫外線などの刺激や乾燥から肌を守っているため、皮脂などが少なすぎても問題となります。
肌の潤いがなくなるとバリア機能も低下し、紫外線や乾燥などによって肌がダメージを受けやすいです。
すると、肌を守ろうと皮脂が過剰に分泌され、毛穴に溜まることでニキビの原因となる場合があります。
特にニキビができている状態で肌のバリア機能が低下してしまうと、皮脂の過剰分泌によってニキビが悪化する可能性もあるため、肌の保湿を心がけましょう。
3.ニキビのセルフケアでやってはいけないこと

ニキビを予防したり悪化を防いだりするためには、食習慣を改善し、十分な睡眠を確保するなどの生活習慣の改善が欠かせません。
また、普段の生活の中で肌のセルフケアも行うことで、ニキビができるのを防止できるほか、ニキビの早期発見が可能です。
しかし、誤ったセルフケアではニキビを悪化させる場合もあります。
特に以下のような対応はニキビに悪影響を及ぼす可能性があります。
- ニキビを放置する
- ニキビをつぶしたり膿を出したりする
- 皮膚にダメージを与えるようなスキンケア
それぞれについてご説明します。
(1)ニキビを放置する
ニキビに気づいたときには、放置しないようにしましょう。時間が経過すると自然に治ったように見える場合もありますが、生活習慣などを改めなければ、症状が悪化し、炎症や膿が生じるリスクもあります。
特にニキビがある程度進行してしまうと、ニキビ痕が目立ってしまうことも少なくありません。
また、初期段階から適切な治療を受けることでニキビの悪化やニキビ痕が残るのを防止できる可能性もあります。
ニキビに気づいた段階で、皮膚科などを受診することも検討しましょう。
(2)ニキビをつぶしたり膿を出したりする
ニキビをつぶしたり膿を出したりすると、ニキビが悪化する原因になります。目立つ箇所にニキビができると、つぶすことで一時的に目立たなくできる場合があります。
しかし、毛穴の奥に皮脂や角質が残ってしまう場合が多く、つぶしても再び炎症が起こることでニキビが目立つようになります。
また、無理に膿を出してしまうと、そこから細菌などが侵入し、さらに炎症が悪化する事態にもなりかねません。
ニキビ痕になってしまう可能性もあるため、どうしても気になる場合は早期に専門の医療機関で治療を受けるのがおすすめです。
(3)皮膚にダメージを与えるようなスキンケア
ニキビの予防と悪化防止のためには、日々のスキンケアが欠かせません。しかし、誤ったスキンケアでは、皮膚にダメージを与え、ニキビを却って悪化させる原因にもなります。
例えば、ニキビができた箇所を強くこすったり、保湿を過度に控えたりするのは避けましょう。
皮膚に強い刺激を与えると、バリア機能が低下し、乾燥などによって炎症が悪化する可能性もあります。
また、ニキビの原因である皮脂の過剰な分泌を防ぐために保湿を控える方もいますが、肌が乾燥してしまうと却って皮脂の分泌が促され、ニキビを悪化させるリスクもあります。
ニキビの予防や悪化防止には、適度な保湿が必要である点にも注意しましょう。
4.ニキビ治療についてよくある質問

ニキビを治すためには、適切な治療と正しいセルフケアが必要です。
しかし、ニキビは身近なものであり、さまざまな誤解もあります。
当院には、ニキビの治療やセルフケアに関して、以下のような質問や相談が寄せられることが多いです。
- 洗顔は1日に何度も行うべきですか?
- ニキビを予防するために保湿やメイクは控えるべきですか?
- 皮膚科と美容皮膚科のどちらを受診すべきですか?
ニキビについて少しでも不安な点や気になることがあれば、ぜひ当院にお越しください。
(1)洗顔は1日に何度も行うべきですか?
過度な洗顔は却ってニキビに悪影響を与えます。ニキビは毛穴に皮脂や角質などの老廃物が溜まることが原因であり、適度な洗顔や肌のケアはニキビのセルフケアや予防にも効果が期待できます。
しかし、1日に何度も肌を洗うと、必要な油分まで奪われてしまい、肌が乾燥したり刺激を受けたりして、ニキビを悪化させる可能性があります。
また、洗顔の際にスクラブ剤入りの洗顔料を使ったり強くこすったりするのも肌にダメージを与える要因です。
洗顔は朝と夕方の2回、泡洗顔で丁寧にやさしく汚れを落としましょう。
(2)ニキビを予防するために保湿やメイクは控えるべきですか?
ニキビの予防や治療を効果的に行うためには、過度な保湿とメイクは控える必要があります。保湿に用いるものは、油性のクリームや乳液を避け、ノンコメドジェニックのものをご使用ください。
当院では炎症を抑えるトラネキサム酸が配合された化粧水のみの保湿を推奨しております。
長時間のメイクは毛穴を塞ぐことになるので、ニキビ悪化の原因となります。
リキッドファンデーションやクッションファンデーションなどの毛穴を塞ぐタイプのメイクではなく、薄付きのパウダーなどにとどめておくとよいでしょう。
どうしてもメイクをされたい場合は、短時間で落とすように心がけ、クレンジングをしっかりと行うようにしてください。
日差しの強い場所に行かれる場合は、ニキビができていても、日焼け止めを塗ってお出かけください。
紫外線の影響で肌に刺激が加わり、患部が紫外線ダメージを受けると、その部分がニキビ跡として残りやすくなるため、色素沈着のリスクが上がります。
ノンコメドジェニックの日焼け止めを選び、紫外線ケアも怠らないようにしましょう。
心配な場合は専門医の診察を受け、アドバイスを受けるようにしましょう。
(3)皮膚科と美容皮膚科のどちらを受診すべきですか?
皮膚科も美容皮膚科も、ニキビの状態や段階に関わらず受診できますが、実施される治療などの目的が異なります。皮膚科では、ニキビを治すことが主な目的となり、治療には外用薬(塗り薬)や内服薬などが用いられ、保険が適用されます。
これに対して、美容皮膚科ではニキビができにくいように肌質を改善したりニキビ痕の治療を受けたりすることもできます。
特にレーザー治療などの保険適用外の治療など、多彩な処置を受けることができる点も特徴です。
ニキビの治療だけでなく、将来的にニキビができにくいような処置を受けたい場合には、美容皮膚科が適しているといえるでしょう。
判断に迷う場合には、まずは皮膚科を受診し、ニキビの状態などに応じて美容皮膚科の紹介を受けるのもおすすめです。
まとめ
ニキビは、毛穴に皮脂や角質などの老廃物が溜まることで生じます。はじめは目立たない場合でも、適切なセルフケアや治療を行わなければ、炎症が生じてニキビが悪化する可能性もあります。
特に思春期にできるニキビとは異なり、成人してから見られる大人ニキビは、生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足などの複数の要因で引き起こされることが多いです。
また、普段から適切なスキンケアを意識すると、ニキビの予防や悪化防止も期待できます。
ニキビの放置や誤ったセルフケアによってニキビ痕が残ってしまうリスクも高まるため、少しでも悩みや不安がある場合には、当院をはじめとする皮膚科などの医療機関の受診がおすすめです。
この記事を監修した医師
木谷 美湖野(きたに みこの)
御所南はなこクリニック 医師
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容皮膚科学会
- 弾性ストッキングコンダクター
2014年長崎大学医学部卒業。神戸労災病院での初期研修を経て、2016年に神戸大学皮膚科へ入局。神戸大学医学部附属病院、三田市民病院、西宮市立中央病院にて皮膚科医としての研鑽を積む。
私生活では2児の母であり、親しみやすい診療を心がけている。


